びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療ではどのような副作用がありますか?
化学療法(多剤併用化学療法)
抗がん剤はDNA合成を阻害する作用を持ち、細胞の分裂に影響を与えるため、がん細胞だけではなく正常な細胞にも影響を及ぼします8)。
主な副作用として骨髄抑制(好中球減少、血小板減少)、吐き気・嘔吐、下痢・便秘、口内炎、脱毛、頭痛、疲労感、手足のしびれ などがあらわれる場合があります4)。
放射線療法
放射線療法では、疲労感、倦怠感、白血球減少、赤血球減少、血小板減少が発現する場合があるほか、皮膚のかゆみ・赤み、脱毛など、照射部位によってさまざまな副作用が起こる場合があります4,9)。
また、治療を行ってから数ヵ月後に副作用が起こる場合があります2,10)。
分子標的薬(抗CD20抗体を含む)
分子標的薬は、がん細胞に発現する分子を標的としています。しかし、標的とする分子を持っている正常細胞にも作用するため、副作用が発現すると考えられています。また、抗がん剤とは異なるタイプの副作用があらわれることがあります7)。
分子標的薬の副作用として、腫瘍崩壊症候群に加えて、免疫に関わる抗体医薬の特徴から免疫抑制(免疫の働きが抑えられてしまうこと)が起こる場合があります4)。ほかにも発熱、吐き気、寒気、だるさ、皮膚の発疹などが起こる場合があります4)。
お薬によっては、投与直後のアレルギー反応や輸注反応(インフュージョンリアクション; 発熱やかゆみなど)が起きることがあります4)。
造血幹細胞移植
造血幹細胞移植では前処置として抗がん剤などを用いるため、使用するお薬に応じてさまざまな副作用があらわれる場合があります。また、移植後も感染症が起こりやすいので注意が必要です。同種造血幹細胞移植の場合、ドナーの細胞が患者さんの身体を攻撃する移植片対宿主病(GVHD)や、移植後3ヵ月以上経過してからも不整脈や心不全、甲状腺機能低下、骨粗鬆症などさまざまな合併症があらわれる場合があります6)。
副作用に関しては、副作用の対処法のページもご参照ください。