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  2. 骨髄異形成症候群こつずいいけいせいしょうこうぐん(MDS)
  3. 骨髄異形成症候群の検査と診断

骨髄異形成症候群こつずいいけいせいしょうこうぐんの検査と診断

  1. I.骨髄異形成症候群はどのように診断するのですか?

    骨髄異形成症候群は、患者さんによっては症状があらわれないこと(無症状)もあり、健康診断などで血液の異常を指摘され診断に至る場合もあります1)
    血液検査で異常が認められた場合、息切れ・動悸・疲れやすいなどの貧血の症状、皮膚の小さなあざ(点状出血)や鼻血や歯ぐきからの出血の有無、皮膚の異常などがないか診察します2,3)

    骨髄異形成症候群が疑われる症状がある場合、尿検査や便検査などの基本的な検査に加えて、さらに詳しい血液検査、骨髄検査(骨髄穿刺こつずいせんし骨髄生検こつずいせいけん)や染色体検査などによって診断を確定し、骨髄異形成症候群の病型(がんのタイプ)を確認します2)
    骨髄異形成症候群と急性骨髄性白血病きゅうせいこつずいせいはっけつびょうは血液検査の結果が似ていることもあり、すみやかに骨髄検査を行い、診断を確定します3)。WHO 分類では、骨髄での芽球がきゅうの割合が 20%未満の場合に骨髄異形成症候群、20%以上の場合には急性骨髄性白血病と診断されますが、染色体異常の種類によっては20%未満の場合でも急性骨髄性白血病と診断されることがあります1)

  2. II.治療方針はどのように決定するのですか?

    確定診断後、「骨髄検査(骨髄穿刺、骨髄生検)」の結果などによって、がんのタイプ(病型)を確認します。また、それらの結果から患者さんの病気がどのような経過をたどるかを予測して、患者さんそれぞれに適した治療方針を検討します。

血液検査

血液細胞(血球)の減少の程度や形・機能に異常(異形成)があるかどうか、血管を流れる血液(末梢血)に異常で未熟な血球(芽球)がみられるかどうかを確認します3)
はじめの血液検査で血球の減少や異形成が確認された場合、さらに詳しい血液検査を行って、ほかの病気と骨髄異形成症候群との見きわめを行います3)

問診・診察

皮膚の異常〔あざができたり、点状出血(細かい点状の皮下出血)がないか〕や口の中(扁桃腺が腫れていないか、歯ぐきなどから出血をしていないか)、腹部に異常な腫れがないかなどを確認します3)
骨髄異形成症候群では感染症を合併することがあるため、胸部レントゲンなどを撮影することもあります3)

骨髄検査

血液検査や問診・診察の結果から骨髄異形成症候群を疑われた場合、診断を確定するために骨髄液や骨髄組織を採取して、詳しく検査します(骨髄穿刺または骨髄生検)3)
骨髄穿刺は骨髄に針を刺し、骨髄液を吸引します。骨髄生検は、やや太い針で骨髄組織の一部を採取します。採取した骨髄液や骨髄組織を用いて、血液細胞の数や形・機能(異形成の有無)、正常な血液細胞と芽球の比率などを調べます1)
骨髄異形成症候群の患者さんでは、約半数に骨髄の染色体異常が発見されます1)。染色体異常は病気の見通し(予後)の判定にも重要です1)

骨髄異形成症候群はいつ治療を開始しますか?

患者さんごとの「危険度(リスク)」によって治療の開始時期は異なります4)。血液検査や骨髄検査の結果からリスクを判断し、リスクが低い患者さんで症状がない場合には積極的な治療をせずに経過観察をします4)。リスクが高いと判断された患者さん、リスクが低い患者さんでも赤血球・血小板・白血球の減少による症状が出ている場合には治療を開始します4)

骨髄異形成症候群はどのように治療方針を決めるのですか?

骨髄異形成症候群の治療方針は、患者さんごとの病気の見通し(予後よご)を予測して検討されます1)
血液検査や骨髄検査の結果から得られた、「骨髄中の芽球の割合」、「血球減少の程度」、「染色体異常」などが患者さんの予後に影響する要因となります1,4)
骨髄異形成症候群の診断が確定した後、予後に関わる検査結果を点数化し、患者さんごとのリスクを判定します。予後予測のための点数化の方法は「改訂国際予後スコアリングシステム[IPSS-R(アイピーエスエスアール)]」が現在広く使用されています4)
IPSS-R による点数、患者さんの全身状態や年齢、併存する病気(持病など)などを総合的にみて、「低リスク」、「高リスク」の2群に分けて慎重に治療方針が検討されます1)

IPSS-R:予後因子スコアの主な検査項目とリスク分類

  • 染色体異常
  • 骨髄芽球の割合
  • ヘモグロビン値
  • 血小板数
  • 好中球数
患者さんの
状態に応じて
0~4点で点数化
合計点数 リスク
1.5点以下 とても低い
1.5点超~3点以下 低い
3点超~4.5点以下 中間
4.5点超~6点以下 高い
6点超 とても高い

日本血液学会(編集)、血液専門医テキスト 改訂第4版、南江堂、2023、PP256-266 より作表

治療や生活について心配なことがある場合、どうすればよいですか?

がんの診断を受けることは衝撃的なことで、不安も大きいかと思います。骨髄異形成症候群は現在、病気の解析・新薬開発などが行われていて、新たな治療法も出てきています4)
がん患者さんとご家族はさまざまなサポートを受けることができますので、主治医の先生や看護師さんに相談してください。

[参考文献]

  1. 1)日本血液学会(編集)、血液専門医テキスト 改訂第4版、南江堂、2023、PP256-266
  2. 2)国立がん研究センターがん情報サービス. 骨髄異形成症候群
    https://ganjoho.jp/public/cancer/MDS/index.html(別ウィンドウで開く))(2026年3月10日利用)
  3. 3)骨髄異形成症候群の診断基準と診療の参照ガイド改訂版作成のためのワーキンググループ(編集)、骨髄異形成症候群診療の参照ガイド令和4年版改訂版、2023、PP1-39
  4. 4)日本血液学会(編集)、造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版)-骨髄異形成症候群
    https://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_6.html(別ウィンドウで開く))(2026年3月10日利用)

2026年5月掲載
JP-VEN-240030-5.0