初期は自覚症状が少ないため、全身のだるさやリンパ節の腫れ、肝臓や脾臓が腫れることによる腹部の張りなどを確認します3)。
自覚症状のある患者さんでは、いつ頃から発熱や倦怠感、出血傾向などが出現しているかを問診し、顔色や歯ぐき・鼻・皮下の出血や全身症状の有無を確認します1)。
赤血球・白血球・血小板の数、白血球の種類別の割合、血液細胞のかたちや異常な血液細胞(白血病細胞)の有無などを確認します1-3)。
B細胞の数が異常に増えている状態(5,000/μL以上)が3ヵ月以上持続していると、慢性リンパ性白血病が疑われます4)。
血液検査で白血病を疑われた場合、診断を確定するために骨髄液や骨髄組織を採取して、くわしく検査します(骨髄穿刺または骨髄生検)3)。
骨髄穿刺は骨髄に針を刺し、骨髄液を吸引します。骨髄生検は、やや太い針で骨髄組織の一部を採取します。採取した骨髄液や骨髄組織を用いて、血液細胞(芽球など)の形や性質、白血病細胞の割合などを顕微鏡で調べます2,3,5)。
骨髄生検などで採取した組織切片を用いて細胞表面マーカー検査(フローサイトメトリー)や染色体検査、遺伝子検査を行います4)。
慢性リンパ性白血病患者さんの特徴として、がん細胞の表面にCD5、CD23という抗原(マーカー)がみられ、「17p」という染色体の異常や「TP53」という遺伝子の異常がみられる場合があります4)。
胸部X線検査、腹部超音波検査やCT検査などで肝臓や脾臓、リンパ節の腫れの有無や大きさを確認して、病気の進行の程度(病期)を評価します6)。