1. TOPページ
  2. 血液がん全般:今後の生活(仕事や治療費について)

今後の生活(仕事や治療費について)

患者になったら、どのようなサポートを受けられますか?

がんと診断されたとき、患者さんやご家族が受けられるさまざまな公的助成や支援

がん相談支援センター

患者さんとそのご家族など、どなたでも無料・匿名で利用できるがんに関する相談窓口です1)

治療や副作用、生活上の注意、仕事と治療の両立、不安や心配ごとなど、がんに関することであればどのような内容でも相談することができます。

がんに詳しい看護師やソーシャルワーカーが相談員として対応しています1,2)

患者会

同じ病気の患者さんや患者家族が集まり、交流をするコミュニティを「患者会」といいます。患者さんにしかわからない悩みや不安、治療中の生活の工夫を共有、治療法について情報交換を行っています2,3)

患者会に関する情報は書籍や雑誌、インターネットで調べることができるほか、住まいの近くのがん相談支援センターに問い合わせても、情報を得られることがあります。

患者さんだけでなくご家族も参加できる場合がありますので、自分に合った患者会を探すために、まず定例会などを見学してみるとよいでしょう2,3)

高額療養費制度

医療機関や薬局で支払った額※1が、ひと月(月の1日から末日まで)で一定の上限額(自己負担限度額)を超えた場合に、超過分が後で払い戻される制度です。自己負担限度額は、年齢や所得に応じて定められています4,5)

診療月から払い戻しまでは3ヵ月ほどかかるため、一時的な支払いが大きな負担になることに変わりはありません。医療費が高額になることがあらかじめわかっている場合には、事前に「限度額適用認定証※2」を申請し交付を受けておくと、初めから自己負担限度額までとすることができます4,5)

申請窓口:加入している公的医療保険の担当窓口

高額療養費貸付制度

ひと月に支払った医療費が自己負担限度額を超え、一時的な高額の医療費の支払いが困難である場合に、高額療養費制度で払い戻されるまでの間、高額療養費支給見込み額の8割相当を無利子で借りることができます4,6)

申請窓口:加入している公的医療保険の担当窓口

※1:入院時の食事負担や差額ベッド代等は含みません

※2:マイナンバーカードを健康保険証として利用できる医療機関では、「限度額適用認定証」がなくても、限度額を超える支払いが免除されます5)

そのほかの医療費支援制度について、
国立がん研究センターがん情報サービス(別ウィンドウで開く)で紹介されています。

がんになっても子どもを授かることはできますか?

がんの治療中に妊娠すると、薬物療法や放射線治療によって胎児に悪影響を及ぼすことがあります。がん治療中に妊娠・出産を希望している場合には、担当医と出産・妊娠のタイミング、実施可能ながんの治療法をよく相談してください7)
薬物療法や放射線治療によって、生殖機能(性欲、排卵機能、子宮・卵巣・精巣などの生殖機能)が影響を受け、男女を問わず、妊娠するための力(妊孕性にんようせい)が、一時的または永久的に低下または消失することがあります。妊孕性を残すための妊孕性温存治療を希望する場合には、それが可能かどうかを担当医に相談してください。パートナーやご家族ともよく話し合い、慎重に検討しましょう8)

がんになっても仕事を続けることはできますか?

血液がんの治療は、入院で行う場合と通院で行う場合があり、仕事を続けながら通院で治療をしている患者さんもいます9)
通院の間隔は、治療内容と効果、患者さんの状態、副作用や合併症などによって異なりますが、一般的に最初は治療薬の投与スケジュールに合わせて通院し、治療が終了した後は、様子を見ながら1~2週間ごと、1ヵ月ごと、2ヵ月ごとと間隔が延びていくことが多いです。晩期副作用(治療後数ヵ月たってあらわれる副作用)や合併症が出ていないかどうか、がんが再燃さいねん(がんが再び出現すること)していないかどうかなどを確認するため、治療後であっても定期的に検査を受けることが大切です9-11)

疲労を溜めないことや感染症に注意するなどの観点から、以前と同じ環境で働けないこともあるかもしれません。企業側の理解や調整を得られるよう、「主治医の意見書」を作成できる場合もあります。担当医やソーシャルワーカーに相談してみてください2,3,12)
治療と仕事の両立支援について、厚生労働省 治療と仕事の両立支援ナビ(別ウィンドウで開く)で紹介されています。

治療中の生活で気を付けることはありますか?

がんの治療中は、規則正しい生活、バランスのとれた食事を心掛けましょう。
適度な運動をすることで体力の維持・回復が期待できます。ご自身の体調と相談しながら、無理のないペースで進めていただいて構いません。散歩などの外出が難しい場合には、家の中を少し歩いたり、入浴をしたり、日常の生活動作や軽い柔軟体操からはじめてみてください。がんばりすぎず、調子が悪いと思った時は無理せず休みましょう2,10)
血液がんの治療中は骨髄の機能が抑制されることにより免疫力が低下することがあります。手洗いやうがい、歯磨きを徹底し、人ごみに出るときなどはマスクを着用し、感染予防をしましょう2,10,11)

[参考文献]

  1. 1)国立がん研究センターがん情報サービス.がん相談支援センターとは
    https://ganjoho.jp/public/institution/consultation/cisc/cisc.html(別ウィンドウで開く))(2025年2月4日利用)
  2. 2)国立がん研究センターがん対策悟報センター. 患者必携がんになったら手にとるガイド 普及新版、学研メディカル秀潤社、2017、PP69-75、179-20
  3. 3)国立がん研究センター がん情報サービス. がんと診断されたあなたに知ってほしいこと
    https://ganjoho.jp/public/qa_links/brochure/pdf/003.pdf(別ウィンドウで開く))(2025年2月4日利用)
  4. 4)厚生労働省.高額療養費制度を利用される皆さまへ
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html(別ウィンドウで開く))(2025年2月4日利用)
  5. 5)厚生労働省. マイナンバーカードの健康保険証利用について
    https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000577618.pdf(別ウィンドウで開く))(2025年2月4日利用)
  6. 6)全国健康保険協会.高額医療費貸付制度
    https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g7/cat710/sb3160/sb3170/sbb31716/1944-2531/(別ウィンドウで開く))(2025年2月4日利用)
  7. 7)キャンサーネットジャパン.もっと知ってほしいがんと生活のこと―がんの治療中、治療後の妊娠・出産
    https://www.cancernet.jp/seikatsu/sexual/post2066/(別ウィンドウで開く))(2025年2月4日利用)
  8. 8)国立がん研究センターがん情報サービス.妊孕性 女性患者とその関係者の方へ
    https://ganjoho.jp/public/support/fertility/fertility_03.html(別ウィンドウで開く))(2025年2月4日利用)
  9. 9)伊豆津宏二(監修)、血液のがんがわかる本 リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫、講談社、2023、PP9-30、83-98
  10. 10)神田善伸(監修)、ウルトラ図解 血液がん、法研、2020、PP77-98、146-157
  11. 11)木崎昌弘(監修)、血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫、主婦の友社、2020、PP2-17、22-108
  12. 12)厚生労働省.治療と仕事の両立支援ナビ―事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン
    https://chiryoutoshigoto.mhlw.go.jp/guideline/(別ウィンドウで開く))(2025年2月4日利用)

2025年3月掲載
JP-VEN-240030-2.0