患者さんの声
このコーナーでは、患者さんが疾患や日常生活の中で感じる悩み・課題にどのように向き合われてきたのか、また同じ疾患の患者さんへのメッセージなどについてご紹介しています。
第1回 血液がんと前向きに付き合うために
プロフィール
大谷 修造 さん(仮名)
50歳代、男性
慢性リンパ性白血病(CLL)を経過観察中
会社員(事務職)として勤務。子育て中の父
慢性リンパ性白血病(CLL)診断までの経緯
4年前、会社の健康診断で白血球の数値が高いと指摘され、近くにある県立病院の血液内科を受診しました。そこでの再検査でCLLが疑われたため骨髄検査を受けて、確定診断されました。
白血病と告げられた時は、子どもが幼いこともあってショックは大きかったのですが、主治医の先生から「進行が緩やかなので、今すぐ治療しなくてもよいです。そんなに心配しなくて大丈夫ですよ」と説明されました。骨髄移植のような治療を行うのではなく、経過観察でよいことを知って安心しました。
ご家族や勤務先への説明
診断を受けてからインターネットで病気について調べ、看護師をしている親戚にも相談しました。妻には診断後すぐに話して、受診にも付き添ってもらい、一緒に説明を聞きました。子どもは幼いこともあり、病気のことは話していません。
骨髄検査を受けるためにお休みをとったので、勤務先には診断を受けてすぐに報告しました。私は隠し事が得意ではないですし、通院するにも半休をもらう必要がありましたから、早めに伝えておいて良かったと思っています。
同僚からは「治療しなくていいの? それで大丈夫なの?」と不思議がられましたが、CLLについて説明することで理解してもらえました。
当初は不安もあり、月1回受診して血液検査を受けていましたが、半年以降は3ヵ月に1回の受診になりました。
患者会との出会い
診断から3ヵ月くらい経った頃、妻が患者会を見つけてくれて入会しました。仕事の都合でセミナーには参加できていませんが、平日夜の懇親会にはたびたび出席しています。
治療に関する最新情報を得ることができますし、私よりも病状が重く、治療が難航している方々のお話を聞いたり、治療しながら十数年も元気に生活されている方の姿を見ると勇気づけられ、希望がもてました。
CLLは日本では希少疾患であり、情報量も少ないので、患者会で得られる情報や経験者の生の声は大変貴重でした。1人で抱え込むと、マイナスの方向にしか考えられなくなるので、同じ病気の人と共感し合うことはとても重要だと思います。
セカンドオピニオンを受けて
経過観察をするうち、脾臓が大きくなってきたので「治療を始めましょうか」と主治医に言われたのですが、身体や費用面の負担が心配だったので、できれば先に延ばしたいという気持ちがありました。そこで、患者会の方にも意見を伺い、まずはセカンドオピニオンを受けてみようと思い立ちました。
主治医に相談したうえで、別の医師からセカンドオピニオンを受けました。複数の医師の意見を伺うことで、治療の方針や選択肢について幅広く情報を得ることができ、納得して次のステップに進むことができることは大きなメリットだと感じています。
気持ちの支え、将来の備え
CLL患者として気持ちを前向きにする、前に進む原動力になっているのは子どもを含めた家族の存在です。また、患者会に参加することで、いろいろな症状や状況の方がいらっしゃることを知りました。私は経過観察中であり、かつ投薬治療もできるという状況を改めて認識し、前向きに考えられるようになりました。
診断から1年ほど経った頃、いつ高額療養費制度が必要になるかわからないので、事前に限度額適用認定証を申請しておきました。ただ、治療を始めると高額療養費制度を利用しても毎月の自己負担額はかなり大きくなるので、無駄遣いしないようにしなければと考えています。
同じCLL患者さんとご家族へのメッセージ
告知された時は絶望感がありましたが、新しい薬剤や治療法が増えたなどの情報を耳にする機会が増えて希望をもてるようになり、現在は平穏な気持ちで日常生活を過ごせるようになりました。
私の場合は、診断されてすぐに家族や友人、勤務先にもオープンにしたことが良かったと思います。周りの方々には、変に気を遣われることなく、普段通りに接してもらえたのがありがたかったです。
患者は病気を受け容れるまでに時間が必要であり、診断直後には周囲の言葉が届かないこともあるかもしれません。また、気を遣われても、かえって申し訳ない気分になることもあります。ご家族や周囲の方が普段通りに接しつつ、患者の言葉に耳を傾けていただくことが、何よりの支えになると思います。時間の経過とともに、患者の気持ちも落ち着いていくと思います。
2025年10月掲載
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